過去に行ってみたいと思った事はありますか?過去に行って今までのいろいろな失敗を伝えて、人生がよりうまくいくようにしたい。誰もが一度は思う事だと思います。しかし、過去を変えたら今の自分はどうなるのか?様々な疑問をもとに考察していきましょう。
過去の改変による自分への影響
例えば、貧乏な家庭だったのを過去に戻ってお金持ちにする。そうすると、教育面で大きな違いが出てくるでしょう。食べ物の好みだって変わってくるかも知れません。
しかし、多くの主人公には変化が出ません。趣味や思考など過去を変える事によって影響が出てもおかしくないのですが、出て居ない所を見ると、過去を変えてもタイムトラベルをしている自分だけは改変の影響を受けないと予想されます。
バック・トゥ・ザ・フューチャーの中で母親が主人公に恋をしかけて、主人公の存在が消えかけるというシーンがありますが、僕はこれには否定的です。過去を変える事によって主人公の父親の性格や容姿すら変わってしまいました。本来の気弱な父親と、自信に満ち溢れている父親、そして本来の愚痴ばかりの母親と、大和撫子な母親、それぞれに育てられた子供が同じように成長するとは考えられません。なので過去を変えても、「自分への影響は受けない」というのが正しいとすれば、過去の改変の影響によって自分の存在が消えるとは思えません。
では、仮に過去が変わった事により、自分の母親が違う人と結婚してしまった場合はどうなるのでしょうか?
過去の改変によって両親が結婚しなかった場合の影響
これに関しての私の意見は、両親が結婚しようがしまいが今の自分は存在し続けると思って居ます。
なぜ?と思われる方も多いと思います。どういう事かと言いますと、過去に行く前、つまり現在における過去は確かに存在します。しかし、過去の世界に自分がいたという事実は存在しません。では、この本来の過去を過去Aとして、タイムトラベルした先の過去を過去Bとするとこの過去Aと過去Bは果たして同じ世界なのでしょうか。私は過去A=過去Bでは無いと思って居ます。過去Bは過去Aに限りなく近い別の世界だと考えています。つまり、タイムトラベルによって過去に行った場合、そこは自分の知る過去の世界ではなく、別の世界なのです。
そこでまた一つの疑問が産まれます。別の世界なら改変をいくらしようと元の世界は影響を受けないはず。なのになぜ元の時間に戻ると世界が変わっているのか?という事です。
過去の改変による現在への影響
では過去の改変を行って自分が旅立った時間へ戻ってきた場合、上記の考えが正しいとすると何も変わっていないはずです。
しかし、過去の改変によって戻って来た世界はちゃんと過去の改変を受けて違う世界になっています。なぜなら、その世界はもう自分が本来いた世界ではないからです。
もともと居た現在を現在A、その過去を過去Aとした場合、タイムトラベルによって過去に戻ると、そこは過去Aではなく過去Bになります。そして現在に戻るとそこは現在Aではなく、タイムトラベルによって訪れたという事実のある過去Bの延長線上の現在Bだと考えられます。つまり、タイムトラベルを行った場合、元の世界へは二度と帰れない可能性が非常に高いと思っています。
そしてここで最後の疑問が産まれます。過去に行った場合、過去の自分が存在していてそれが別世界だとすると、戻った時も別世界なのならもう一人の自分がいるのでは?
改変のおきた現在での自分の居場所の有無
これは結構難しいのですが、多くのSFを見るとちゃんと改変のおきた世界に戻れて、かつ、もう一人の自分はいないことが多いみたいですがこれは非常に可能性としては低いのでは無いでしょうか?戻った場所が過去Bの延長線上の現在Bだとするのなら、現在Bは過去Bに存在する主人公にとっての未来であって、自分が存在する現在Aではないからです。
自分の居場所があるとすると、過去で両親や自分を亡き者にした場合、矛盾が産まれてしまいます。過去Bの延長線上の現在Bであれば、両親や自分が存在しない未来であっても納得です。
なので結論としてはタイムトラベルを一度行うと、もうどこにも自分の居場所はない可能性が高いと思われます。
結論
過去の自分に会いに行きたいけど、自分の居場所がなくなる可能性が高く、怖いので行かない。