前回、甲子園決勝で活躍する妄想~天才ピッチャー偏~をお送り致しました。
165キロのストレートや147キロのフォークを投げるなど大活躍でしたね!
iyasaretaiazinori.hatenablog.com
前回はピッチャー偏だったので今回はバッター偏です
ごはんですよ高校野球部の江戸部長が僕に相談があるという。
何だか嫌な予感しかしない。
江戸部長「味のり、頼む。来週の甲子園の決勝にベンチでもいいから入ってくれないか」
僕「部長・・・僕は野球は・・・」
江戸部長「勝てそうならいいんだ!でも、もし万が一・・・万が一負けそうになったら、試合に出て欲しい。頼む。悲願の甲子園優勝が掛かっているんだ。それに味のりがベンチに居てくれるだけでも部員の士気が上がると思うんだ!一生の頼みだ!頼むっ!」
僕「分かりました。でも僕はきっと打席には立てないと思います」
江戸部長「それでいい。無理を言って悪かった」
僕「いえ、失礼します」
部長との話が終わり、教室に帰ろうとすると昔からの付き合いでキャッチャーをしている紫に出会った。
僕「盗み聞きか?趣味が悪いな」
紫「いや、ちょっと声が聞こえてきてしまってな。お前、まだあいつの事気にしてるのか?」
僕「・・・」
紫「アレはお前のせいじゃねーよ。それにあいつだってこんな事望んでなんか居ないと思うぞ」
僕「あいつは俺のせいで・・・」
僕はそう言って僕は足早に立ち去る。あれは夏の試合のことだった。僕は1年生ながら4番をつとめ、僕の親友「桃屋」が5番だった。9回裏、あと一点でサヨナラの場面。僕は当然ホームランを狙っていたが、最後の最後僕は見送って四球を選択した。少し強引に行ってもホームランに出来たはずだった。あそこで強引にでも打ちに行けばと何度後悔したことか。その後打席に立った桃屋の頭にボールが当たっての死球。倒れたまま動かない桃屋はそのまま病院に運ばれたが意識が戻ることは無かった。意識が戻らないままもうすぐ一年が経とうとしている。
僕はその日以来野球を辞めた。
甲子園決勝
さあ、ついに9回裏。点差は無し。
ごはんですよ高校、悲願の初優勝を掛けての大一番。
最初のストレートを見送って第二球は・・・
打ったー。ヒット!ヒットです。綺麗に抜けて行きました
さあ、これで2アウト満塁。四球も許されません。
ベンチ内
部長「味のり、代打で出てくれないか」
僕「・・・」
僕は悩んでいた。僕は出てもいいのだろうかと。
紫「行ってこいよ。桃屋もきっとそれを望んでる。それに桃屋は言ってたじゃないか。皆で甲子園優勝を成し遂げたいって。お前の手で掴み取ってきてくれ」
僕「分かった」
おおっと。ここで代打だー!代打は・・・なんと味のり選手です!一年前、公式戦で打率.988という驚異的数値を叩き出した天才バッターの登場です。春センバツに出場していなかったので、怪我の心配がされていましたがここに来て今年初打席です。
さあ、注目の第一球は・・・
158キロストレート!まずは1ストライク!
僕(今日は桃屋・・・お前の誕生日だったな)
第二球は・・・
151キロスライダー!少し外れてこれで1ストライク1ボール
僕(桃屋、お前に俺からの誕生日プレゼントを贈ろう)
第三球は・・・
うったああああああああああああああああああああ。
大きいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。
伸びる!伸びる!伸びる!
僕(俺からお前へのバースデーアーチだ。受け取ってくれ)
バックスリーン直撃だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ホームラン!!!!!!!!!
ごはんですよ高校、甲子園初優勝!!!!!!!!!
観客「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
病室にて
ナース「先生!桃屋君の意識が戻りました!」
医者「信じられん!奇跡としかいいようが無い。すぐにご両親に連絡を」
ナース「はい!」
医者「桃屋くん、聞こえるかい?」
桃屋「はい。何だかあいつの・・・味のりの声が聞こえた気がしたんです」