あれはいったい何年くらい前だろうか。
季節は夏。旅行先でクレープ屋を見つけて食べたくなったのでクレープを食べる事にしたのだ。
男一人で空しくむしゃむしゃとクレープを食べていると不意に声を掛けられる。
少女達「おじさん。クレープ美味しい?」
そこに居たのは二人の少女達だった。
お、おじさん。そうか、僕はもうお兄さんではなくおじさんか・・・と軽いショックを受けながらも少女達に答える。
僕「うん。とても美味しいよ」
少女達「美味しいよね!私もここのクレープ好きなの」
か、かわいすぎる。天使と見間違えるほどの素敵な笑顔だ。
僕は折角なので、クレープを食べながら少女達とお話をする事にした。
しばらくお話しをしていると、母親らしき人が現れた。
少女達は前からこのクレープ屋の常連らしく、今日もお母さんにおねだりをしてクレープを食べに来たとの事。
僕は少女達のお母さんに少女達にクレープを驕らせて欲しいと頼んでみた。
最初は断われたのだが、少女達と楽しいひと時を過ごせたのでそのお礼だと言うと、しぶしぶながら納得してくれた。
少女達がクレープを食べ終わった後、少女達のお母さんに写真を撮って貰った。
僕が白塗りなのは許して欲しい。僕の姿を見たら吐き気を催すと思い見ない方が懸命だと判断しての事だ。
クレープをただ食べただけなのだが、こんなにも楽しいひと時になるとは思いもしなかった。もしかしたらクレープから始まるストーリーがあるのかも知れない。あ、すでに原宿でクレープから始まるストーリーは経験済みだった。やはり、クレープとは偉大である。
僕は帰りの電車の中で、偶然にも出会った少女達の事を考えながらふと思ったのだ。
これはカップルなのだろうか?・・・と