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帰り道に風俗嬢に声を掛けられご飯を食べに行ったんだが

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僕がまだ入社して間もない頃、研修で千葉に行くことになった。研修はハードだったがあまり行った事のない県だったし、何より会社でホテルを取ってくれたので研修先から近く、夜も遊べたため結構楽しかった。

そんなある日、いつものように研修が終わり僕はホテルへと向かいながら途中で夕食は外食にするかコンビニで買ってホテルで食べるか考えていた。

すると、けたたましいパトカーのサイレンが鳴り響く。

何か事件でもあったのだろうかと考えていると、不意に女性の声が聞こえた。

 女性「何かあったんでしょうかね?」

一瞬友達にでも話しているのだろうかと思ったが、女性は一人だし、周りにも僕しか居なかった。なので僕に話掛けたんだろうな、と思い返事をした。

僕「どうなんでしょうかね」

何ともつまらない返事だった。ただ許してほしい。まさか女性に声を掛けられるとは想定しておらず、心の準備がまったくできていなかったのだ。

女性「お兄さんはお仕事の帰りですか?」

僕「ええ」

僕はスーツ姿だったので仕事だと分かったのだろう。そしてお兄さんということはこの女性は年下か・・・と先ほどまで全く気にもとめて無かった女性の顔を見ると、かなり若い。大学生くらいだろうか。

女性「私も今アルバイトの帰りなんです」

僕「へーそうなんだ。君は・・・大学生かな?」

女性「はい、大学の2年生なんです」

正直、なんで僕はこの女性と話しているのかわからない。そもそもなんで彼女は僕に話しかけてきたんだろうか。と、いろいろ疑問に思いながらも帰る方向が一緒だったので、途中まで歩きながら世間話をした。

しばらく歩くと分かれ道になり、彼女は右へ、そして僕は左へ行くのでそこでお別れになった。

僕「じゃあ、僕はこっちなので」

僕は彼女にそう告げ、泊まっているホテルへ向かおうとした所、彼女に呼び止められた。

女性「あの!」

僕は立ち止まり振り向く。

女性「ご、ご飯食べましたか?」

僕「いえ、まだですけど」

女性「わ、私もまだなんです。よかったら一緒にご飯付き合ってくれませんか?」

なんと、おっさんの僕が女子大学生にご飯を誘われてしまった。なんだろう。罠だろうか。のこのこついていったら怖い人達が出てきたり、壺を買わされそうになったりするんだろうか。だって、彼女が僕をご飯に誘う理由がない。

僕「・・・」

女性「あ、駄目なら全然大丈夫です。すいません。変な事言っちゃって」

僕が彼女を疑ってしばらくの間沈黙していたからか、彼女は慌ててそう言ってきた。

僕「いいですよ。ご飯食べに行きましょうか」

まあ、別に人通りの多い所に行けば問題ないだろう。そう考え、僕は彼女の誘いに乗ることにした。

正直ちょっと怖かったので、なるべく人が多そうな繁華街の居酒屋に行くことにした。

僕「僕が奢るから好きなもの食べていいよ」

女性「え?悪いですよ。割り勘にしましょう」

僕「いいのいいの。こういう時はお兄さんにいいかっこさせてくださいな」

女性「え、あ、はい。じゃあ、お言葉に甘えて。ありがとうございます」

僕たちは先ほど歩きながらしていた世間話の続きをした。別に何も面白くない話だ。お互いの名前とか、年齢とか、出身地とか。お互いが知らない事だらけだったので話題は尽きなかった。話の流れで僕が何のアルバイトをしているのかを訪ねると、彼女は風俗だと答えた。

そう、彼女は風俗嬢だったのだ。

なるほど。これが狙いだったのかぁ。彼女はもしかしたら日ごろから指名を取るために男性に声を掛けていたのかもしれない。風俗嬢なら見知らぬ男性も怖くないのも納得だ。まあ、そりゃーそーか。僕みたいな冴えないおっさんを誘うわけないよな。けど、かわいい女子大生と一緒にご飯も食べれたしいいか。

僕はポジティブに考え、彼女とのひと時を楽しむ事にした。

ただ、彼女は普段は男性に声を掛けたりはしない。自分でもなんで声を掛けたのかよくわからないと言っていた。僕だからご飯に誘ったのだと。

え?それって・・・いかんいかん。危ない危ない。女性大学生に惑わされてはいけない。

そんなこんなで彼女のからのアプローチを営業ととらえ、僕はやんわりとかわしながら帰る時間になった。

別れ際、彼女からまた会いたいと電話番号の書かれた紙を渡された。

その紙をホテルへ持ち帰り、電話するかしないか悩みに悩んだが、僕は結局電話をしなかった。

彼女とはそれきり会っていない。